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とののタイでの日常を書くブログ

ゴールデントライアングル②

ミャンマーとの国境の街「メーサイ」を後にし、ついに今回の目的地のゴールデントライアングルへ!!

と行きたいところだが、その前にもう一つだけ寄りたいところがある。

 

それが「アヘン博物館」。

ゴールデントライアングルは今では観光地になっているが、昔はアフガニスタンパキスタン、イランの国境付近にある「黄金の三日月」と呼ばれる地域と並んで、世界最大の麻薬密造地域だった場所。

 

 

そんな世界最大の麻薬密造地域だったゴールデントライアングルに、麻薬の恐ろしさを忘れないために王室が作ったのがこのアヘン博物館(Hall of opium museum)。

 

 

ここは王室が作った博物館ということもあり、めっちゃくちゃデカイ。


自分がここに着いたのは閉館時間の1時間前で、1時間あれば館内を見て回るには十分だと思ったけど、1時間なんかじゃ全く足らなかった。

博物館を全部見て回って出口から出ると、そこに車が待っててその車で入り口まで送迎するレベルにデカい。

 

そしてここ、王室が作ったというだけあってかなり博物館としてのクオリティーが高い。
映像や音声、模型などを使ってディズニーランドを彷彿させるような作りになっている。

 

 

 

タイの博物館では最初に動画を見るのが普通なのかわからないけど、ここでも最初は10分弱の動画を見ることができる。

 

 

 

 

youtu.be

 

博物館の内容としては、まずは原料であるケシの花の原産国である地中海から話は始まる。

古代ギリシャやローマではケシは主に医療や宗教的な理由で使われていたとのこと。

 

 

そしてアヘンが麻薬として貿易品目になっていく歴史を学ぶことになる。
ただ、ここはアヘンの歴史というか、正直イギリスの歴史に近い。

 

世界をまたにかけて自分たちの欲しいものを手に入れたいイギリスは、植民地のインドにアヘンをたくさん作らせる。
そしてインドで作ったアヘンを中国や東南アジアで販売し、代わりに香辛料やお茶を買っていく。

 

 

イギリスによって持ち込まれたアヘンで中国の街中は中毒者で溢れかえり、中国政府がアヘンの取引を禁止したことによってアヘン戦争が引き起こされ、負けた中国はさらにアヘンを買わされ、街にはさらに中毒者が溢れかえる、という話。

 

 

 


ここの博物館に行くと中国が気の毒でしょうがない…。
中国分割」っていう中国としては屈辱的な歴史もあるし、今の中国の態度は西欧への長年の恨みがあっての行動なのかなとか少し思ってしまう。

 

あとはアヘンの人体への影響や、アヘンが禁止される経緯についての展示もあったりする。

 

 

 

ちなみに、ゴールデントライアングルのミャンマー側では今でも麻薬の密造が行われているが、タイではほとんど行われていない。

それは王室が農民のために多大な努力をしたから。

 

タイ政府は軍隊を派遣し、ケシの畑を全て伐採。(この時何人もの軍人が麻薬組織に撃ち殺されてる)
ケシの代わりの換金作物としてコーヒーなどを奨励し、栽培方法などの教育も行い現在に至る。

 

そこで活発に活動を行なったのが、前国王であるプミポン王のお母さん(母后)。

 

プミポン前国王のお母さん


皇室の私財を投げうって貧しい農民のために活動したので、今でもかなり崇められている(タイの北部では特に)。

 

ここのアヘン博物館はかなり勉強になって面白い場所なので、ゴールデントライアングルに行くときはおすすめ

 

アヘン博物館の見学が終わったあとは、ついに今回の目的地であるゴールデントライアングルへ。
おさらいだけど、ゴールデントライアングルはメコン側に沿ってミャンマー、タイ、ラオスの3カ国の国境があるところ。

 



 

とういうことで、ゴールデントライアングルに到着!!

 



 

 

 

いやー日本人からすると陸の国境だけでも新鮮でワクワクするけど、3カ国の国境だと余計にワクワクする!!

 

 

 

 

 

そして面白いのが、国境を隔ててそれぞれの国の特徴が出ているところ。

 

ミャンマー森がうっそうとしていて、今でもケシの密造が行われている雰囲気がぷんぷんする見た目。

タイはケシの栽培からは抜け出し、特に危険な感じもせず、寺院が建っている一般的な田舎の村という見た目。

 

そしてラオスの方に目を向けると…

 

 

 

 

「金三角経済特区歓迎」

 

 

んん?


金三角はゴールデントライアングルのことだろうし。

っていうか完全に中国語…。

 

 

そう、実はゴールデントライアングルのラオス側の地域(ボーケオの一部)は、実は中国に99年間租借されている場所。

 

中国の99年租借というとスリランカの港が有名だけど、実はラオスにもあるなんてタイに来るまで知らなかった。

司法、外交、国防以外の全ての自治権と開発権は中国が持っており、特区内での通貨は人民元
もはや中国の植民地。

 

そんな経済特区は中国マネーで急ピッチで開発が進み、ビルやコンドミニアムの建設ラッシュ。

 

 

 

こんな山の中に突如現れるビル群は、めちゃくちゃ場違いでかなり異様な風景。

 

 

 

俄然ラオスに行きたくなってきた。
タイからラオスへは、ボートを使ってドンサオ島というメコン川に浮いている島にイミグレを通さず行けるので、早速ドンサオ島に行こうとボート乗り場に行くが。

 

「今はドンサオ島には行かない。ボートはメコン川を遊覧して帰ってくるだけだよ」と言われてしまう。

 

えええ!マジ!!
ラオスとの国境はすでに開いてるし、行けると思ってたのに!!

 

くそおおお、ラオスめっちゃ行きたい!
ラオスっていうか中国に支配されてる地域がどうなってるのかめっちゃ見てみたい!!

 

諦めきれない。
さてどうしたものか。

 

 

次回へ続く…