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とののタイでの日常を書くブログ

クイッティアオ

タイの食文化で日本にもあれば良いのになーと思うことの一つが、食べるものを自分で割と自由に決められることだと思う。

 

何言ってるの?って思った人もいるかもしれないけど、タイだと食べたい具材とかを基本常に自分で選ぶことができる。

 

例えば、日本で中華レストラン行ってチャーハンを注文した時、チャーハンに入ってる具材ってすでに決まってる場合が多いと思うけど、タイではチャーハン頼む場合は具材を、豚肉、鶏肉、牛肉、エビ、魚介(エビ以外にも貝とかイカが入ってる)から自分で選ぶことができることが多い。

 

そんなタイの自由な食文化がとてもよく出ている料理が「クイッティアオ」だと思う。クイッティアオは日本人でも食べたことがある人は多いと思うし、個人的にタイで最も一般的な料理の一つだと思う。

今日はそんなタイ人のソールフード、クイッティアオを紹介。

 

 

タイ風ラーメンとも言われるクイッティアオは、その辺の道端の屋台で出していることも多く、お手軽に食べれるので自分も食べる機会は多い。

そんなクイッティアオは、完全にオーダーメイド製。

 

麺、具材、スープを全て自分で好きなものを選んでいくスタイル。

 

麺は基本的にウンセン、バミー、センミー、センレック、センヤイの5種類から選ぶ。

ウンセンは春雨のことで、バミーは一般的な黄色い中華麺で日本で一般的にラーメンで使われてるような麺。

 

バミー(黄色い中華麺)

 

 

そしてセンミー、センレック、センヤイの3つが米粉の麺となっている。

3つの米粉麺の違いは、その太さ。
センミーは一番細い麺で、春雨ぐらいの太さの麺。

 

 

センミー

 


センレックは日本で言うと冷麦ぐらいの麺の太さで、パッタイとかに使われてるのもこの麺。

 

 

センレック

 

そして一番太い麺がセンヤイと言われる麺で、きしめんのように太くて薄っぺらな麺。

 

センヤイ

 


パッシーユーという「きしめんの焼きそば」みたいな料理に使われてるのもこのセンヤイ(この前マーケットでパッシーユー専用の麺が売っていたので、もしかしたら違うかも。パッシーユーはもちもちの焼きそばでめっちゃ美味い)

 

パッシーユー(太い米粉麺の焼きそば)

 

麺を選んだら、次に選ぶのはメインの具材。

基本的には「肉のつみれ、鶏肉、牛肉、豚肉、焼き豚」はどこにでもある具材で、店舗によって他にもエビやイカ、ワンタン、肉の内臓系があるのでそれらの具材を選ぶ。

 

焼き豚。何故か知らないけど、タイの焼き豚は赤い色してる。

 

ワンタン美味い。どこにでもあるわけじゃないけど、あったら基本選んでる。

 

内臓系

 

 

ちなみに、メイン以外の具材(もやしやパクチーなど)は大盛りにしてって言えば多く入れてくれるし、ご自由にお取りくださいスタイルで自分で好きな量を入れられる店も多い。

 

 

自分は基本もやしてんこ盛りで、ホーリーバジルをほどほどに入れるスタイル。

 


タイではほとんどの店でこういう客のわがままを聞いてくれるんだけど、文化の違いだなーと思う。

(昔、日本で卵を使っているメニューがある居酒屋で、メニューにないけど卵焼き作ってって言ったら出来ないって言われたことある。タイだったら絶対に対応してくれる。)

 

麺と具材を選んだら最後に選ぶのはスープ。

これも基本的には5、6種類のスープがあるが、店によってここはけっこう変わる。

 

一番基本となるのが「ナムサイ」と呼ばれるスープで、透明な色をしていて鶏や牛、豚など出汁に使っている種類はいくつかある。

また、店によってはこの透明なスープに醤油を入れたものをナムサイに分類され、ナムサイと注文しても黒いスープが出てくることもある。

 

ナムサイ(透明バージョン)

 

 

ナムサイ(醤油バージョン)

 

他にはトムヤムクンに似た「トムヤム」といったスープや透明なナムサイのスープに豚の血を混ぜた「ナムトゥック」と呼ばれるスープ、「イェンタフォー」や「トゥン」と呼ばれるスープがある。

あとは汁なしの「ヘーン」と呼ばれるものも注文することができたりする。

 

 

トムヤム

 

 

 

 

 

ということで、実際に注文してみるとこうなる。

 

 

これは麺はセンミー(米粉の細いやつ)、具材は鶏のひき肉と焼き豚、スープはナムサイ(透明バージョン)で注文したもの。

 

 

 

 

次のやつは、麺はバミー(中華麺)、具材は豚肉とつみれ、スープはトムヤムで注文したもの。

 

 

 

 

 

 

次は麺はセンレック(米粉の中くらいの麺)、具材は焼き豚、スープはイェンタフォーで注文したもの。

 

 

 

 

 

 

このイェンタフォー、色がピンク色で日本人的にはあれだが、タイでは人気の料理。
ピンク色の正体は「紅腐乳」(べにふにゅう)という調味料のせい。

 

腐乳とは、豆腐に塩と麹をつけて発酵させたものだが、紅腐乳は普通の麹ではなく紅麹を使っているので、こんなピンク色になるんだとか。

 

味は豆腐を発酵させているので、台湾の臭豆腐的な味が少しする甘酢っぱいスープ。

このイェンタフォーを注文すると、必ず豚の血を固めた「ルアット」と呼ばれるものが具材として付いてくるが、それも相まってあまり日本人には好まれない。

 

 

豚の血を固めたルアット。ぷるぷるしてて個人的には好き

 

最後は、麺はバミー(中華麺)、具材は豚肉、スープはスープなしのヘーンで注文したもの。

 

 

 

 

 

こんな風に注文時点でかなりカスタマイズしているが、タイ人は料理が来てからテーブルでもさらにカスタマイズする。

タイではレストランでも屋台でも必ずテーブルの上に4種類の調味料、「クルアンプルン」と呼ばれるものが置いてある。

 

 

 

 

内容としては必ず砂糖、ナンプラー、唐辛子の粉、輪切りの唐辛子を漬け込んだお酢の4つ。

店によってはプラスでピーナッツを砕いたものや、炒めたにんにくなどを置いている店もある。

 

クイッティアオはここまででもたくさんあるが、番外編だと、クイッティアオの麺がないバージョンの具材とスープだけ注文して米と一緒に食べる「カオラオ」や、ペンネのような形をした米粉の麺、「クワイチャップ」など、実はまだある。

 

 

 

 

クワイチャップ。麺がもちもちしていて美味い

 

 

 

料理の注文時点で麺や具材を自分好みにオーダーし、パクチーやもやしなどもカスタマイズ、テーブルではさらに調味料でカスタマイズして、自分が今食べたい味を叶えられるのってすごく良いなって思う。

 

飲食店側から考えると、かなりめんどくさいことなのかもしれないけど、こういう自由な食文化は日本も見習いたいなーって思ったりする。